妊娠期の思い出②私が通った病院

このようにして始まったマタニティ。
初診から出産まで通うことになった病院は、色々リサーチした末、近くのprenatal centerに決めた。というか、不都合なら途中で違うところへ変われば良いだろうと思い、近場に。

Prenatal center…出産前までの検診、検査、ケア、指導を行う医療施設で、私が通ったところは地元ロックランド郡の総合病院「Nyack Hospital」の付属施設だった。
日本で言う〇〇産婦人科とか××医院という開業医っぽい産科クリニックもたくさんある。病院によってはとってもラグジュアリーで高級感たっぷりなクリニックや日系の先生がいるところなどもあり、はたまた水中出産できるところなど、オンラインの医者口コミサイトなども参考にしながら色々考えた。
しかし、保険適用条件や立地条件などを加味していると、なかなかしがない我が家の条件と要望にマッチするところが無く、それなら近場で良いじゃん取り敢えずと、そのprenatal centerを選ぶこととなった。
(そして結果的には、お産までずっとそこでお世話になることになった。)

そのprenatal centerでの初診の日、色々な検査に加えて、ナースとの問診とお産までの流れの説明、また保険やマタニティをサポートする団体や制度の案内も含めたカウンセリングがあった。
ナースとの問診では、通常の「何度目の妊娠?」「これまでに大きな病気の経験は?」「職場は遠い?」などの質問に併せ、『最終学歴』と『宗教』も尋ねられた。
『最終学歴』なんてお産に何の関係があるのかと思う。
もしかすると統計データをとるためだけの質問だったのかもしれない。。。しかし、日本でみんな一緒に一定レベルの教育を受けた私達の感覚からすると想像しにくいけれど、妊娠や出産それに関わる性教育を受けておらず、例えば体の構造などの基本的な知識を持たない人もあるためというのも聞いたことがあった。それが本当なら、教育基準もまちまちな様々な国からやってきた移民の国アメリカらしいことでもあるし、また生活環境や個人の信条から受けてきた教育に差が出る社会の説明もつく。
『宗教』も然り。たとえ医者でも男性に触れられることを許されていない、または注射が禁止される宗教もあり、場所が病院であれその決まりをまもる人がいるのだから医療行為を施すほうもそれらを心得ておく必要があるという。

その後、加入している保険の確認とprenatal center側の手続きをするため、その係のオフィスで個別に面談。
保険会社の名前やプランを伝えるのだが、そのまず先に「MEDICAIDを受けているか?」という質問をされた。MEDICAIDとは、収入が規定以下の低所得者が受ける国/州からの援助での医療保険。
何度も言う「しがない我が家」だけど、かろうじて貧困層には入らないのでこの問いにはNO。しかし、ラグジュアリーな開業医と違って、万人を受け入れるprenatal centerだからか、初めにこんな質問をされるのも意外なことの一つだった。
それから保険の手続き後にも、無料で利用できる低所得者向け食糧&ベビーミルク供給サービスのパンフレットを手渡されて面談は終了。




さて、日本の診察には有って、私のアメリカでの診察には無かったもの、それは「医者」。産科医のドクターとは会うことがなかった。
私が経験したシステムとしては、、、通常の採血や血圧検査などはナースが行い、超音波検査は超音波専門の技師が担当し、食事や栄養に関しては栄養士から指導があり、特別な問診に特別ナースが登場し、実際の内診や質問や相談は毎回違うミッドワイフが現われていた。そして、トラブルもなく健康で何も問題がなければドクターに会うことは無い仕組みだった。
「具合はどうですか~」と1分間病室に顔を出されただけで、ドクター登場代として請求医療費が何万円分も上乗せされることすらあるらしい、アメリカ。ドクターに直接診てもらわなくて不安になる気持ちはさて置き、そんななら最後までトラブルなくドクターにも合わずに済むならそのほうが良い。。。
と、思いつつ実際本当にドクターと会う事が全くなかった私の産前期だったが、最後の最後に緊急帝王切開でドクターを登場させることになる。

次回からはそんなドクター参入のクライマックスまでの、いたって順風満帆だった妊娠期を、思い出したことから少しずつ書いていきます



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コメント

  1. こちらは何もないと、お医者様に会わないまま出産なのですね・・!
    あ、でも、無痛分娩だから、一番最後は麻酔科のお医者様が来るのかな・・?
    最終学歴を聞かれるって、興味深いですね。
    日本でやったら、深読み?されて、えらい騒ぎになりそうですが・・・^^;
    宗教も、確かにセンシティブですよね。宗教によっては注射ダメとか、カルチャーショックですね。

    返信削除
    返信
    1. kawamukoさん、お宮参りをしたり仏前で手を合わせたりしても、宗教や信仰深さにはあまり縁のない感覚からすると「そうなんだ」と思いますよね。
      私の場合は概ねミッドワイフがお世話をしてくれて、途中たしかに麻酔科医が無痛分娩のために登場しました。そして産科医は何もなければペーパー上の名前以外顔も見ることなかった予定でしたが、帝王切開のために最後に出会うことになりました、手術の朦朧とした意識の中で笑。

      削除

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