Rosa's Fresh Pizza 「もう1ドルでホームレスの人達にピザを」~再び日帰りしたフィラデルフィアで

あれは...今年のはじめ頃だったでしょうか。

インターネットで「フィラデルフィアでホームレスの人達に無料のピザを提供するピザ屋さん」の記事を読み、とても印象的だったので記憶に残っていました。

Rosa's Fresh Pizza という名前の1ドルピザのお店です。
再び日帰りでフィラデルフィアへ行く機会があったので、私達もピザを食べに行ってみました。


お店のことは英語/日本語ともにたくさんの記事が書かれているので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
オーナーは若くしてNYCでの華やかなキャリアを辞め、地元フィラデルフィアに戻りこの小さなピザ屋さんを始めたという、20代の元ウォールストリートビジネスマン。
開店後、コツコツと地道に営業を続けていたそうですが、ある日のあるお客さんの来店がこのお店を有名にするきっかけになったそうです。
 フィラデルフィア市内、11thストリート沿いの店舗

NYCでもよく見かける街の「1ドルピザ屋」とは、
ソースにチーズのみのシンプルなピザが、1スライス1ドル(お店によっては99セントという価格も)で売られているお店です。
簡単なテーブルと椅子があったり、店内で立ち食いできるスタイル。テイクアウトもできます。

同様のシステムで営業していたRasa's Fresh Pizzaにやって来たある日のお客さん。
自分のピザ分とは別に、
「このもう1ドルを、ホームレスの人へのピザ分にして」
と、寄付を申し出てこられたのだそうです。

オーナーは1枚のポストイットにこの1ドル分をメモとして書き記し、レジに貼りました。これがこのお店の「ホームレスの人達へのピザの寄付」システムの始まり。


この「もう1ドルの寄付」が他の来店客にも広まり、
ポストイットのメモは店内の壁に貼られるようになり、無料のピザを必要とするホームレスの人達が来店時にそれをはがしレジに提出すればピザと引き換えてもらえるシステムができ、
そしてホームレスの人達にもここに来れば食事ができるという情報がさらに広まり、
1日に何十人分もの食糧提供ができるまでになっていったのだそうです。


そしていま、
店内の壁という壁からウィンドーやカウンターにまで、一言メッセージが書かれたポストイットがところ狭しと貼りつくされています。

売り上げの半分の価格はピザの寄付になるというオリジナルグッズも販売されています。

・Tシャツ 18ドル → 9ドル(ピザ9スライス分)の寄付
・ニットキャップ 10ドル → 5ドル(ピザ5スライス分)の寄付


私達もポストイットを1枚ずつ貼らせてもらい、できたてあつあつピザを食べました♪
左から...1ドルのチーズピザ、マッシュルームトッピング、ペパロニトッピング×2。(トッピングは各+50セント)


できたてフレッシュ。そしてソースがしっかり!チーズもたっぷり!でとてもおいしいピザでした♪
※フィラデルフィアだけど...NYフォルド:生地が薄目で大きいNYスタイルのピザを、片手でも食べやすくするために真ん中で半分に折って持つニューヨーカースタイル "The Fold Hold"


上記したように、このお店の事は様々な記事で取り上げられ、エレン・デジェネレスの人気TVショー "The Ellen Show" でも紹介されました。


このショーに出てくるエレンからのプレゼントの光るサイン(看板)、ちゃんとショップ正面のウィンドーのど真ん中に掲げられていました♪



このピザ屋さんが関わっているホームレスの問題をはじめ、世界中の貧困だったり人種の問題だったり、
または地震や洪水などの自然災害など・・・

世の中の問題がフォーカスされた時など特に、「何か助けになる事ができないだろうか」と思うものの、
個人単位や小さな小さなグループでは実益のある行動をとる事は難しかったりもします。

このピザ屋さんでは一人のお客さんの好意がきっかけで、「もう1ドル」の現象がお店のシステムとなって確立されてきたわけではありますが、、、
例えばこのオーナーが正直なところで「うちは飲食店だし、ホームレスの人が入り浸るような店になっては困る...」という懸念が先にたつ人であったとすると、
話題が人を呼び、寄付を集め、今日「食べること」が確保できない人達に食を提供できる今のような場にはなっていなかったのでしょうね。

店内のお客さん達は、ホームレスの人達と肩をならべてピザを食べています。私達もそうでした。
ここではそれが普通でした。

店内中に貼られたポストイットの数、、、
1ドル×この数=すべてこのお店に入ってきたお金(下世話なことのようですが...)
オーナーにとっても、このお店を経営するうえでとてもサクセスフルなことです。

人が集まり、世の中のためになり、そしてお店も順調に存続できる・・・とても良いビジネス例でもありますね :-)

社会の問題に「心よりお祈りします」「Pray for ~」と言うだけでなく、
身近なところでのアクションで実際に有益なことを行い実績になっているお店です。

ぜひ、よいお店が長く続いてほしい、、、そう思いました :-) ピザもおいしかったし!!!

仕事を得て、住む場所も確保でき、生活を立て直すことができた元ホームレスの人達からのお礼のメッセージも。


心を込めて綴ります
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コメント

  1. いいお話ですね・・・

    こういうのって、二通りに分かれるみたいですよね。
    私が大昔、学生の頃にバイトしてたハンバーガー・ショップでは、一定時間が過ぎるとハンバーガーを廃棄するシステムだったんですが、ホームレスが拾いに来ないように水をかけて捨てるマネージャーと、ホームレスの人が拾いやすいようにと、袋に入れて、ポリバケツの上の方に置いてあげるマネージャーの人がいました。

    ニューヨーカーは、全般的にホームレスに優しい感じがします。NYに住んでると、自分もいつホームレスになるか、明日は我が身、という危機感が常にありますし笑


    返信削除
    返信
    1. その危機感...とてもリアルでこわいですね...。
      まだNYで社会人をしたことない身ながら、キモに銘じておかなければ...という気分です。

      そうですね、飲食店の廃棄処分についてはとても勿体無いと思う決まりもあるようですね。
      廃棄分が出たからとそれを純粋な善意でホームレスに渡すことは違法。だから廃棄時間になっただけで実際にいたんではいない物をゴミと一緒に捨てて、その結果いたんでしまったものをその日の食糧が必要なホームレスがゴミより見つけて口にする、ことには罰則も何の規制もない、という。
      無駄も多くなるし、とても勿体無い決まりですよね。

      削除

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